Live Report

KUES 10th LIVE ~十人十音~

今回KUESは10回目のライブを迎える。何か10回目の記念になるものを作りたいという想いから、プログラムに創設からのヒストリーを載せ、さらに今までのライブの写真を用いてパネルを作成することになった。

それで…というわけではないが、ライブ2週間前となる今日、過去に書かれたライブレポート(historyに掲載)を読み返したそうと思い立った。まずは私が入会する前のライブ(1st~4th)のレポートをざっと流し読み。先輩たちの記憶をたどる。そして5thライブ。私がKUESに入って最初に経験したライブだった。レポートを書いていたのは同回生の男の子。同じく初体験のライブ。

最後まで読み終わる前に涙があふれた。1回生のときに味わったあの大きな感動が、KUESに出会えた大きな喜びが、そこには色あせないまま眠っていたからだ。あの初めてのライブの緊張感そして胸がはじける楽しさ…ずいぶん長いこと忘れていたような気がする。それが4回生となって、KUESを卒業しよういう今、堰を切って流れ込んできて、ただただ涙した。私のKUES人生における原点は間違いなくあそこにある。 あれから2年半。計5回のライブを経験した。サークルのメンバーは様変わりし、先輩方も少ない。私たちの学年が今や大御所と呼ばれる(笑)時がたつのがなんて早いことか。私は今まで多くの先輩がKUESを卒業されるのを見送ってきた。

そしてこの春、4回生になった私はもうすぐKUESを卒業しようとしている。最近では何をするにつけても、もう最後だという思いがかけめぐり、ひとつも見逃すまい・後悔すまいと活動に参加する毎日だ。


あと2週間の間にどんな体験をするだろう?楽しみでもあり不安でもある。

あと10日。

久々に深夜までボックスに滞在(このときはこの日からほぼ毎日ボックスで日を越すことになるとは思いもしなかった)。

ボックスに行ったのは作業を手伝うという名目だったけど、作業していない時間のほうが長かったくらいかも。

ライブ前は夜でもボックスに活気があって、実に楽しい。みんな深夜ならではテンション☆ バカばっかり(笑)

たいして用事はないのに、ボックスで同回生や先輩後輩と談笑する…今までは当たり前でなんとも思わなかったことだ。

でも今はとても貴重なかけがえのない時間だと思える。明日もそんな時間を大切にしていきたい。


あと2日。

いつのまにかあと2日。あれ、時間が過ぎるのが早いぞ。困ったな。

毎日使える時間すべてをKUESに費やしている。ボックスで次の日を迎えるのが当たり前になってしまった…。

メドレーや他の作業を手伝ったり、司会の作業をしたり、デュエット練習をしたり、メンバーと話したり、やることは尽きないなぁと感じる毎日。ライブ前1週間というのは実は自分の体力・体調との戦いでもある。本番に響かないようにどこまで無理が利くか。正直KUESに入って絶対私はタフになった、と思う。


ついにあと1日。土曜日。

私が体験した今までの春ライブはすべて土日2日開催だったため、最後の1日が土曜日で、全体練習がある、ということをとても不思議に感じる。でもいつもに比べて全体練習が一回多くできる、プレゼントだと思ってがんばろうと思った。しかもこれが私にとって最後の土曜練習なのだ。私の曲の練習があるのは午後からだったけど、午前中の練習に行かないとは一時も思わなかった。

いろんな曲の仕上がりを聴きたかったし、KUESに参加しないなんてもったいない!(笑)

午前の練習に行ってみると、私と同じように練習はないはずなのに来ている後輩を見つけて、うれしくなった。

自分の曲だけじゃなくて、ほかの人の曲にも興味を持って、聴く。私がKUESにいるあいだに一番大切にしてきたことがちょっとでも伝わっているような気がして無性にうれしかった。そうこうしているうちにあっという間に午前2時間の練習が終わる。どの曲も完成度が高くてびっくり。練習に入ったのは例年にまして遅かったような気がするのに、1週間前も大丈夫かなこのライブとか思った気がするのに、聴く曲聴く曲、ずっとよくなっていて、あらためてKUESの、メンバーの底力に感動を覚えずにはいられなかった。

そして午後からは最後のメドレー練習。私は1回生のときからこのメドレー練習の時間が大好きだった。

部屋には人が多くて、熱気で教室の温度は5度くらい上がって、居心地はとてもいいとは言えないのだけど、それでも、みんなで一つの曲を練習する・みんなの笑顔が見れる・そんな時間が本当に楽しくて好きだった。メドレーはKUESの象徴。

みんなが力を合わせて頑張ってきたことをお客さんに見せることができる、そしてお客さんにも楽しんでもらうことができる、そんなKUESの象徴だと思う。 最後とあってみんなのテンションも上がり、あちこちに笑顔。そんな中メドレーラストの曲でみんなが手拍子している様子を見たとき、不意にもう最後なんだ…っていきなり頭によぎって思わず涙がこぼれそうになった。こんなに楽しい時間はもう過ごせないんだな。いや、でもまだ感傷に浸るのには早い! こうして最後の土曜日もいつもと同じように終わった。ちょっぴりの涙と感慨を含んで。


さぁいよいよライブ当日!!

待ちきれなくて、集合時間より早くに着くバスに乗った。どんな1日になるだろう。

私にとって、そしてKUESのみんなにとって最高の1日になりますように☆

リハーサル開始前からつまずいた。会場のセッティングが予定通り終わらずにリハーサルがスケジュール通りはじめられなかったのだ。とはいえ私たちは会場スタッフさんの仕事を見守るしかない。焦ってもなにもできない、それでも10分、20分と立つうちに苛立ちはかくせなくて…結局30分遅れでリハーサルが始まった。当然後のように予定されていた練習の時間を削らなくてはならない。そんな不安を抱えつつのリハーサルスタートだった。 今回私は司会の係を担当していた。コメントも心を込めてそのグループのことを考えつつ書いた…だからあとは読むだけ!のはずなのに、緊張のせいかリハーサルでは噛みまくってしまって、頭を抱えてしまった。覚えるほど練習したのに…どうしよう。これはいくらなんでもやばい。曲のよさを半減してしまう。ライブの進行を妨げてしまう。改めて歴代司会さんが担ってきた重責をひしひしと感じつつ本番へ臨むことになった。 懸念されていたリハーサルの時間は最後のメドレー練習がびっくりするくらいスムーズに行ったため、なんとか時間内に収めることができた。これも演出を含めてしっかり事前に練習してきた成果だと思う。

刻々と時が過ぎていく。リハーサルの合間をぬってのビラ配り。会場内や会場外の飾り付け。10th記念のパネルも多くのお客さんに目を通してもらえたらいいと思いつつ入り口前へセッティング。最高の2時間にするために、できるすべてのことをやる。ライブが近づいている緊張感・高揚感を感じつつ。 開場10分前!会長の掛け声とともに、みんなで円陣を組む。今このときしか味わえないこの瞬間を思いっきり楽しもう!今までやってきたすべてのことを悔いのないように出し切ろう!! それからはあっという間の2時間だった。…ってまとめたらさすがにダメかな(笑)

どの曲も素敵な演奏だったので、自分の弾いた曲や特に心に残っている曲にだけコメントを残したい。


☆AUCTION#2

…ピアノパート担当の会長が最後まで苦労した曲で、がんばれーと応援していたよ。1曲目だったからちょっと硬かったかな。でもそれぞれが濃いオーラと持ち味を出したかっこいい演奏だった。


☆水上の音楽

…この曲もリズムがなく4人の息を合わせるのに大変だったね。でも本番は強弱ともにばっちり!坂上くんや栗ちゃんの足さばきも素敵だった。


☆キューバ序曲

…ライブ前1週間で急成長した曲。長くて、難しい曲だったけど、あすかちゃんが見事に翔平コンビを引っ張って、人を感動させられる曲に仕上げたね。特にリズムのない静かな部分の盛り上がりにはぐっときた。


☆Drive Times

…今までKUESで演奏されたベノワの曲の中でもかなり個人的には好み。

印象的なピアノのメロディ、サックス・ピアノ・ベース・オルガンそれぞれのソロが見事にマッチしてたね。まっつん先輩越えはできたかな?(笑)


☆古畑メドレー

…実は個人的に一番完成を心配していた曲。メドレーのはずなのにいつまで経ってもメドレーにならない!と思って。でも本番はまさに古畑の世界を再現するような演奏で、サックスのメロディに聞きほれた。コントもリハーサルに比べてとってもテンポがよくて、お客さんの笑いを誘ってたね。敢闘賞はやっぱり今泉くんを演じた会長かな。


☆初花凛々

…この曲もまたなかなか練習できなくて大変だったよね。メロディの音作り、頑張ったね。そして何より坂上くんの笑顔とみっきー奏でるかわいらしい音色がみんなに春を運んだと思う。


☆Kinki Kidsメドレー

…Kinkiの曲はやっぱり素敵♪心配されていた音量バランスもばっちりで、お客さんにも計5曲おなかいっぱいの演奏を届けることができたね。4人の楽しそうな笑顔がKinki愛とKUES愛を物語っていた。


☆ワンダーランド

…かっこよかった!その一言につきます。


あらら、なんだか書き始めたら止まらなくなってしまった。しかも全然紹介になってなくて私の感想だし。困ったなぁ。

でもまいっか。お許しください。司会だったから舞台袖、弾いている人から一番近いところでほぼ全部の曲が聴けて、弾いている人の表情もばっちり見えて、感動もひとしおだった。

そうそう、司会!これがリハーサルでかみまくったのが嘘のように絶好調で、そんなに緊張もせずスムーズに進めることができた。よかったよかった、ほっと一安心。さぁ後半行ってみよう!


☆ギリギリchop

…メロディ・ギター・ベース3本だけだけど、すごく迫力がある演奏!稲葉さんが歌ってるようなメロディに魅せられた人も多いでしょう。


☆君をのせて

…鳥肌立った。みんなも知ってるこの曲が大好きで、練習中はいろいろ注文つけたけど、メロディは優雅で美しく、いつも合わなかったところも決まり、壮大な曲になったね。かわいい後輩がムスカ(悪役)の衣装を着て新境地を開拓(笑)


☆Laurant

…練習当初からレベルが高かったこの曲。それだけにあと一歩を求め続けて練習してたよね。ピアノやバイオリンの軽快なアドリブ部分はもちろん、最後に3人のユニゾンがばっちり決まったときには思わず拍手!


★Across

…今回はこの曲1曲だけだった。それだけに練習にも本当に熱が入って、どうやったらもっとよくなるのかを議論し続けたような気がする。本番前日・リハーサル後まであそこの強弱がもう少しだったとかここが合わなかったっていう話をしていたくらいに。演奏が始まると本当に気持ちよくて楽しくて、私のKUES生活でたぶんもっとも長い時間一緒に過ごして、時は喧嘩もし、励ましあい、会長時代はずっと支えてもらった二人の顔が見えて、この瞬間がずっと続けばいいのになぁって思うような、すべてを出しきった時間だった。アドバイスをくれたいろんな人に、そして何より一緒に弾いてくれた二人に感謝の気持ちでいっぱい。 最後の演奏、悔いはない。


☆SHAKE

…まさに気楽に行こう!練習のときから雰囲気がよく、しかも練習のたびにパワーアップしてたよね(手品が登場したり席替えがあったり)。本番も会場を元気づけるようなそんな演奏だったと思う。


☆キャラバン

…私の始めてのライブのときに演奏されとっても思い出深かった曲を、後輩たちが演奏しているのを聞くと本当に時の流れを感じる。難しい曲だけど、強弱や息もぴったりで、メリハリのある曲になったね。


☆死の舞踏

…間違えなく春ライブ全曲の中で一番時間をかけて練習した曲じゃないだろうか。データ・練習すべてにすごく力が入っていて、クラシックの選曲にも関わらず完成度が高く力強い演奏には本当に感動。やすさん、お疲れ様でした。


☆桜…練習開始が遅くてその他いろいろ大変だったけど、よく頑張ったね。ベース間違えるたびにあららって思ったけど、確かに桜吹雪が感じられる演奏だった。


そしてラストのメドレー。

会長の言葉を借りると、まさにエンターテインメンツ性いっぱいのメドレー。

各曲に合わせて出てくる登場人物、つながっていく事件、黒幕とヒーローの対決、そして改心…最後の曲I Will Follow Himまでこんなに盛りだくさんなメドレーは初めてだった。 今回はメドレーの意義を一から考え直そうって話になり、今まで以上にみんなメドレーに力が入ったのだと思う。映画メドレーという新しいメドレーに取り組んで、メドレー係の編曲・凝った演出を中心に、みんなで小道具の作成作業に取り掛かり、各曲の練習はもちろん振り付けの練習もしっかりやった。初めは劇形式のメドレーはうまく仕上がるのか不安だったが、みんな真剣に取り組んで、演技指導なんかもあったりして、それはそれは楽しいメドレーになったと思う。お客さんには見えない舞台裏では衣装の着替えなどですごくバタバタしており、いつもみたいにどの曲もしっかり聴いてお客さんと一緒に手拍子するって形ではなかったが、その分みんながKUESTシャツを着て登場する最後の曲ではお客さんにみんなの笑顔と感謝の気持ちのこもった最高のフィナーレを届けることができたのではないだろうか。今回のメドレーでメドレーにはまだまだいろんな可能性があることを再認識させられた。お客さんからのアンケートでも今までにないくらいメドレーが楽しかったという意見が多くて、6thの運動会メドレー以来の魅せるメドレーの成功に乾杯したい☆会場が広い春ならではの試みとも言える。

個人的には演奏はもちろん初めてコスプレっぽい格好をしたのも印象的だった。なんといっても白衣とシスター(笑)


本当にあっという間の2時間だった。みんな完全燃焼。燃え尽きた。

会長は最後の挨拶で感無量。みんなを引っ張って頑張ってきたもんね。

お客さんも思った以上に入ってくれていて、本当にうれしい。やっぱりお客さんがいてこそのライブ。

私たちの楽しさもお客さんに伝わってこそ、お客さんと共有できるからこそさらに増していくものだ。

そして今回もたくさんの人数で見に来てくださったOB・OGのみなさま。本当にありがとうございました。

先輩たちに楽しんでもらえるライブ・KUESであり続けたいというのは5thで始めて先輩たちを送り出したときからの私の願いでした。今回は特にひとつ上の、前のライブで卒業された先輩たちに恥ずかしくないライブにしたいという思いは強かった。

楽しんでいただけたら本望です。


ライブが終わったら、疲れを振り切って打ち上げへGO!

ライブの打ち上げはいつもの飲み会以上にみんなハイテンションだ☆ついつい声も大きく、馬鹿騒ぎ。デジカメのフラッシュがあちこちで光る。 そして卒業式。春だから、NFみたいに仰々しくならないと思ってたんだけどなぁ。みんなから心のこもったメッセージ・贈り物を受け取った。ライブ直前の忙しい中、準備してくれたことを思うと頭が下がる。一言、と言われて、でもあまりにいろんな感情が渦巻いていて支離滅裂になってしまった。泣かないで~(笑)

そして一年間KUESを率いてくれた3回生に感謝の気持ちをこめて贈り物。

今からKUESを率いる2回生に激励。がんばれ!若人!!


ふぅ。10thだけでもこんなになってしまった。振り返ってみると私はKUESでなんて濃い3年間を過ごしたことだろう。

その中で尊敬すべき先輩たち・そして大好きな同回生に支えられて1年以上会長という大役もさせてもらった。

それ以外のときだってKUESにどっぷりつかっていた。かわいい後輩もたくさんできた。

KUESに入っていなかったら私はどんな大学生活を送っていたのか想像ができない。

それくらい私の中でKUESは大きく、そしてそこでであった仲間たちは本当にかけがえのない存在だ。

どのライブもそれぞれにたくさんの、たくさんの思い出がある。

どんなメンバーともたくさんの思い出が、そして伝えきれない感謝の思いがある。

私はKUESと出会えて、そしてKUESの仲間と出会えて幸せだった。

「このKUES世界に迷い込んだ僕はもう抜け出せない。出口を見つけようとも思わない。入り口さえあればいい。」(5thライブレポートより抜粋)

「卒業なんて形式的なものだ。」と別の同回生は言った。その言葉をかみしめる。

KUESを卒業した今このとき、寂しいという思いしか浮かんでこないのは事実。

もうみんなでライブを作り上げるあの感動を味わえない。みんなとだってあたりまえには会えなくなる。それは本当にさびしい。

それでもやっぱりKUESから卒業することはないのだ。なぜなら私たちが作り上げてきた数々の感動・そして仲間との固い絆は永遠のものだから。私たちは長い年月を経ても、きっとこの感動を分かち合うことができるだろうし、大切な仲間でありつづけるだろう。


KUES創設からもうすぐ5年。創設者を知る世代もだいぶ少なくなってきた。ライブ後にはまた新しい新入生が入ってくる。

これからKUESはどんな風に変わっていくのだろう。きっとどんどん変わっていくのだろう。それを妨げることはできない。

でも私は思う。願わくはKUESの本質がいつまでも変わりませんように。

ライブに向けてみんなでわいわいと意見を出し合って、一緒に曲を作り上げていったり作業をしたり。

異なる状況にいるそれぞれがいろいろ苦労なんかしつも、惜しみない努力をする。そしてそこから生み出される最高の感動を全員で分かち合える。 どうかそんなサークルでありつづけますように。

あとから読み返すと非常に感情的で読みにくい文章です。読んでくださったみなさん、どうもありがとうございます。