嬉しいのに涙が出てくるのはどうしてでしょう?
僕がライブ終了直後に思ったことだ。男が泣くなんて恥ずかしいのだが、実際涙が次から次へとあふれ出た。こうなったのはきっと、ライブに費やす気持ちが最大に膨れ上がっていたからだろう。
まず、僕とKUESとの出会い。それはヤマハのレガートという雑誌だ。3rdライブの告知文を目にした僕はふらふらと京大へ足を運んだ。「受験」で頭の中が一杯、異常に焦っている自分から逃げ出したかった。そんなクタクタの受験生にKUESライブは元気と癒しを与えてくれたのだ。とにかく感動した!!
僕はこれまでピアノ一筋でやってきたので、エレクトーンという楽器をあんな風に操っている彼らがめちゃくちゃかっこよく見えた。ピアノとは違う豪華な演奏、さまざまなジャンルにわたり飽きない演奏。こんな身近なところでこんな素晴らしい演奏会があったなんて………。 絶対入ってやる。
それから1年、僕はKUES部員になり、そしてあのKUESライブという大舞台に立てた。
本番前日。だだっ広い教室の前方にエレクトーンが4台。朝一番にその光景を見たときワクワク気分が高まったのを覚えている。同時に、多くのお客さんが僕たちの演奏を本当に楽しんでいってくれるのか?という不安も感じた。僕にとって初ライブ。それにKUES初の3日間ライブ。リハーサルも含めて4日間。どうなるんだろう。
朝から晩までリハーサル。曲の出来上がりもまずまずだ。
いつの間にかさっきのような不安は吹っ飛んでいた。部員のみんなとワイワイと夕食をとったおかげもあって緊張なんてなかった。
本番1日目。午前中のリハーサルの記憶はほとんどない。でも、みんなで円陣を組んで気合を入れたのだけはしっかりと覚えている。
'とうとうキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッ!!!'と感じた瞬間だ。
「オーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
開演。始まってしまえば、あっという間に時は過ぎていく。お客さんは、わんさといる。僕は、ドキドキ。自分の出番が来るのが速く感じられた。
とうとう自分の出番。いざ教室内へ。生暖かい。多くの息を感じる。エレクトーンにFDを挿す。Playを押す。ドンドコ、ドンドコ太鼓の音が始まる。
うわぁぁ~(>_<)
緊張は頂点に達した。衣装のせいもあって寒くて、いつものように手が動かない。。。 落ち着け落ち着け!
何とか最後まで弾ききった。さっぱりした。まぁ、満足のいく演奏だったと思う。練習の時と違って曲そのものをじっくり聴けたし、楽しめた
演奏が終わって礼をする前、お客さんの表情がいくつも見えた。こんなに多くの方に見られているとは…予想以上だ。皆さん優しい顔をしていた。
僕は次のように感じた。お客さんそれぞれが僕たちの音楽に関して何かしら感じてくれたんだなと。
なぜか嬉しくなったのを覚えている。僕たちの演奏がそれなりに人の心に影響するなんてすごいことだと思う。
拍手が嬉しかった。そして初体験のKUESメドレー。ディズニーはかわいらしく、マンボははじけて!ってな感じで演じた。
特にマンボに関してはお客さんも手拍子を入れてくれ、テンション上がりまくりだ。実を言うとマンボのピアノはテンポが速く、リズムも取りにくくて練習は辛かった、、、でも本番はのりに乗ってサイコーだった。
これが一年前、元気をもらった大舞台なのだ。そこに自分がいるなんて嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。お客さんの中に自分と同じような子がいてくれたら嬉しいなぁ。
終演。お客さんの拍手がとっても暖かく感じた。
お客さんのアンケートを見ていると、楽しかったとか、スゴイと思うとか書いてくれていた。鳥肌が立つぐらい嬉しい。
また、ダメ出しをしてくれるお客さんもいて嬉しい。部員の目からは見えてこない部分がたくさん書かれていた。
そのようなアンケートのおかげで僕たちのライブが日々発展していったのだ。
2日目。朝からまたリハーサル。すがすがしい。朝の冷え込みが今日も頑張っていこうという気にさせてくれた。
この日もお客さんはいっぱい。緊張は1日目と変わらない…でもワクワク気分は昨日以上。
この日はわけのわからないコントも披露した。
姫が城に追われてしまうのだ。姫が城を追われるんだろ?城に追われてどうすんだYO!
まずまずウケたからよしとしよう。こんなのは中高生にはできない、小学生と大学生の特権だ!(バカな大学生である)
演奏はというと、少々失敗有りだったが、ご愛嬌ということで。
他のメンバーの演奏もじっくり聴くことができた。
素晴らしかったよ、皆さん。
メドレーもまたまたサイコーでした。昨日はマンボでピアノを担当していたから手拍子ができなかったけれど、この日は思いっ切りたたいてやった。楽しい、楽しい、楽しすぎる。メンバー全員が右でバンバン、左でバンバン綺麗に揃っていて、横から見ていてもカッコいいなぁと思ってしまった。
3日目。とうとう最終日。朝の冷え込みは変わらない。もう終わってしまうのかぁ…。
KUESに入って数ヶ月、このライブのためにずっと時間を費やしてきた。そのライブはこの日で締めである。赤い実はじけた!
教室の蛍光灯が消える。ライトがピカーーーッ! とうとう最終日のはじまりだ。
自分の中で、前二日と少し違うところを発見した。
それは緊張していると思っていても、結構気楽に演奏できたこと。なんでかな?
いい意味での舞台慣れかな? どんどん時間が過ぎていく、自分の演奏がとうとう終了。満足だった。
「ジンギスカンとか」ではKUES全員があの決めのポーズを披露。綺麗に揃ったもんだ前日本番終了後の練習の甲斐があったね。
そしてライブは大詰め。みんな演奏に力が入っていた。力を入れすぎて鍵盤が壊れたときはどうなることかと思ったけど。
プ~という持続音が会場に残っていた。ちょっと笑ってしまった。間抜けな音だ。
しかし鍵盤を壊した当人、N田くん、そしてほか3人の演奏がメッチャかっこよかったのは事実だ。しびれます、マジで。鳥肌立ちました。ゲロゲロ~~~。
そして、とりは「KUES original MAMBO MEDLEY」。
いやぁ~燃えに燃えましたぜ。わけわかんなくなるほど楽しかった。力いっぱい手たたいたよ、あぁ幸せでした。
そして最後にはKUES会長・副会長からのプレゼント、ライブでのメンバー紹介が!僕たちメンバーは(少なくとも僕は)全く知らされていなくて驚き企画だった。何となく恥ずかしかったけれど、嬉しかった気もする。またもや鳥肌が立った。お客さんのお見送りも精一杯やった。
いやぁ、内容の濃いライブであった。
ここからは僕たち部員だけの時間。 ライブ後。お客さんのアンケートに目を通したり、ライブに対する思いを言い合ったり。
勝手に涙が出た。どうしてでしょう? そして何よりも、今回をもってKUESを卒業される方々の卒業式が催された。
現役生からは花束が、卒業生5人からは現役生一人一人へのメッセージカード、KUESの歌、部室用の掛け時計が贈られた。KUESの歌を歌ってくれる5人を見ていると涙が一層出てきた。僕はこんなに涙もろい人間じゃないはずなのに。
先輩方と出会って半年ぐらい。なのにお別れとなると、なぜだかわからないけれどすごく寂しくなった。
感動もあった。またもや鳥肌だ。
そのメッセージカードはわざわざ全員一人一人に書いてくれたようでホントに嬉しかった。大切にしてます。
これからはOB・OGとのコンパも開催されるようだから一安心だけど。ははは。
また、就職活動や勉強のために今回を機に休部される方も何人かいらっしゃる。片付いたら帰ってきてくださいよ、絶対に。
ホントこのライブで何回鳥肌立つような出来事があったことか。
そして打ち上げだー!
「打ち上げ寄ってく?」
「いいねぇぇ~」 (むじんくん風に)
という感じだ。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッ!!!
ライブに匹敵するほど最高に楽しかった。
ある意味すっとんきょうな宴でもあった。
あとで写真を見てみるとみんな最高の笑顔をしている。
疲れなんて感じない。
興奮した。満腹だ。
この3日間、たくさんのお客さん、友達が来てくれた。
「楽しかったよ~」とか「かっこよかったよ~」って言われると本気で嬉しかった。通りがかりで入ってくれた方、KUESの大ファンの方、友達、親、……、やはりお客さんが音楽を楽しんでくれるのが一番嬉しいし、ありがたい。特に「音楽やりたくなったよぉ」とか「こんなサークルうらやましいよ」なんて言われた時には自然と、にやけてしまう。これからもお客さんに、こう言わせられるようなライブを作りたいな。
そして、前に述べたように今まで僕はKUESライブの"完成品"しか見ていなかった。一人のお客様であった。
KUESのメンバーがどれだけ練習しているのか、どのように企画しているのか、どうやってプログラムの順番が決まっているのか、エレクトーンはどこから持ってきているのかなんて全く関係なかった。しかし今回は土台の部分からずっとライブを見てきた。
意見がまとまらず何時間も話し合ったこともあった、しょーもない論議を重ねたこともあった、それに対して本気でイラついたことも多々あった。今思えばそんなことの積み重ねであんな巨大で、本当に素晴らしいLIVEが出来上がるのだろう。
部室でワイワイ言いながらリハーサルの順番決めたり、タイムテーブル書いたり、プログラム書いたり、衣装を作ったり、小物を作ったり、内装の準備をしたり、ビラ配りをしたり……あぁいい思い出だ。
ライブ後の部室は荷物だらけ。人口密度はとても低くなってしまった。僕の心にもポカーンと穴が開いたような気がした。
なくなってしまって、はじめてわかるのだろうけどもLIVEというイベントがどんなに大きなものだったか。一生の思い出がまた一つ増えた。
ここでぶっちゃけトーク。僕はライブ前、サークルが全く楽しくないと感じるときがあった。このライブを最後に、KUESを辞めてやる気だった。
でも、何でだろう、こんなライブを経験してしまうとやめるにやめられない。辞めてしまったら大損してしまうだろうと思った。
今は本気でKUESが楽しい。辞めろと言われても辞めないぞ、絶対に居ついてやる!
KUESにぞっこんだ。 日本全国から見ず知らずの人が集まり、仲間となり、一つの偉業を成し遂げられるのは、小中高生にはない大学生の特権。
このKUES世界に迷い込んだ僕はもう抜け出せない。出口を見つけようとも思わない。入り口さえあればいい。
みんなありがとう。
これから関西ジョイコン、東京ジョイコン、春ライブ、気合入れてイコカ~